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あなたはなぜ、ステンレスを選ぶのか?

  • 執筆者の写真: TAKE
    TAKE
  • 1月20日
  • 読了時間: 4分

「素材」から考える時計選びの再定義


腕高級時計の世界において、ステンレススチール(SS)は「正解」です。

加工しやすく、頑丈で、手に入れやすい。

市場の8割以上がこの素材で占められているという事実は、SSがいかに万能であるかを物語っています。

しかし、もしあなたが「今の時計になんとなく飽きた」と感じているなら、

一度その「当たり前」を疑ってみるべきかもしれません。

今回は、あえてステンレスを外した時に見えてくる、4つの選択肢とその本質についてお話しします。


■ チタン(Titanium)

* メリット: ステンレスの約60%という圧倒的な軽さと、金属アレルギーへの耐性。

* 一歩深い事実: 実は「グレード」で性格が激変する。

* グレード2(純チタン): 軽く、ステンレスに似た白っぽい輝きを出せるが、

  実はステンレスより傷つきやすい。また、皮脂汚れや指紋が目立ちやすく、

  マメに拭き取らないとくすんで見えるという実用派ゆえの課題もある。

* グレード5(チタン合金): 非常に硬く傷に強いが、加工の特性上、

  少し黒っぽく鈍い独特の「道具感」が出る。

💡 こんな人におすすめ: 重い時計による疲労を避けたい「実用的合理主義」の方。


■ ブロンズ(Bronze)

* メリット: 「パティーナ(経年変化)」によって、自分だけの一本に育つ唯一無二の楽しみ。

* 一歩深い事実: 配合比率で「育ち方」が変わる。

* 「アルミニウム」や「スズ」の比率によって、十円玉のように黒ずむのか、

  あるいはヴィンテージのような黄金色の風格が出るのかが分かれる。

* ただし、肌に直接触れると変色やアレルギーを招くこともあるため、

  多くのモデルでは裏蓋に別素材が使われる。

  ロマンの裏には、実は繊細な肌への配慮と日々の手入れが必要だ。

💡 こんな人におすすめ: 時計を「育てる趣味」として楽しみたい「ロマン派」の方。


■ セラミック(Ceramic)

* メリット: 驚異的な耐傷性。10年経っても「昨日買ったばかり」のような輝きを維持できる。

* 一歩深い事実: 「セラミックならどれも同じ」という誤解。

* 安価なものは成形後の密度が低く、プラスチックのような質感を拭えないこともある。

* 一方、高級メゾンが採用する「ハイテクセラミック」は、超高圧で成形し高温で焼き固めることで、

  金属のような深みのある光沢と、極めて高い密度(硬度)を実現している。

* しかし、どれほど高級であっても「粘り(靭性)」がないという本質は変わらない。

  金属はぶつけると「凹む」ことで衝撃を逃がすが、セラミックは逃げ場を失い「割れる」リスクがある

💡 こんな人におすすめ: 傷ひとつない「完璧な美しさ」を維持したい「完璧主義」の方。


■ 貴金属(ゴールド / プラチナ)

* メリット: 腕に乗せた瞬間に伝わる「重み」の安定感と、磁器のような肌馴染みの良さ。

* 一歩深い事実: ステンレスより遥かに柔らかい「儚い贅沢」。

* 18K(75%が金)が主流なのは強度のためだが、それでもステンレスより遥かに柔らかい。

  磨くたびにわずかに痩せていくその様は、まさに形ある贅沢の極み。

* また、ホワイトゴールドなどは表面のメッキが剥がれて地金の色が見えてくることもあり、

  維持するにはステンレスとは桁違いのメンテナンスコストという現実も待っている。

💡 こんな人におすすめ: 袖口に宿る「重圧」を、自分の自信や覚悟に変えたい「エグゼクティブ」の方。


ステンレスという「最適解」をあえて捨てて、特定の素材を選ぶこと。

それは、その素材が持つ「欠点(不自由さ)」をどれだけ愛せるかという決意表明でもあります。

軽さに驚くのか、変化を愛でるのか、不変を貫くのか、あるいは重みに酔いしれるのか。

次にあなたが手にする一本は、単なる道具を超えて、あなたの生き方を象徴するピースになるはずです。


ここまで偉そうに素材論を語ってきましたが、

私自身が現在辿り着いている答えは「チタンセラミック」です。

ハイテクセラミックの「傷つかない不変の美」と、チタンの「肌馴染みの良さ」を掛け合わせた、

ある種、素材論の矛盾を解決したような存在です。

デスクワークと来客が多い筆者にとっては適してる素材なのかもしれません。

これからも手に取る場面が多いんだろうな。。


皆さんは、どの素材と一緒に時を刻みたいですか?

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