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中古の腕時計②

執筆者の写真: TAKETAKE

状態の見極め




以前の記事「中古の腕時計①」に続き、

今回は中古時計の選び方というテーマで

中古の時計を購入する際に見るべきポイント、

中古時計の状態の見極め方について記事にしていこうと思います。


中古品を買う上で一番の不安というのはその時計の状態についてだと思います。

お店で買うにしても、個人売買で手に入れるにしても、

時計を中古で買う時につきまとう問題ですよね。

個人的には時計の中古品ってオーバーホールと外装の研磨をしてやれば

新品同様になったりする事も多いので、結構お勧めではありますが、

中古品は市場に色々な状態のものが販売されてますよね。


先程申し上げたオーバーホールと外装研磨をしても

新品の状態にならないものも当然ありますし、そもそもオーバーホールとか

外装研磨をされていない、いわゆる現状渡しで販売されている商品もたくさんあります。

なので中古の時計をより安心して、状態に納得して買う事が出来る様に

中古の時計にはどんな状態のものがあって、どれから手を出していいのか

逆に手を出したらまずい状態というのは何なのか?みたいな見極め方について

筆者の思うところをお伝え出来ればと思います。


ではここからは中古時計を買う際のチェックポイントですね。

こちらをお話していこうと思います。


■日差■

まずは日差ですね。

日差が平置きで何秒みたいな表記って見た事ありますでしょうか?

大体の中古時計の販売店では表記されているもので、

個人売買でも、たまに記載されている方もいらっしゃいますね。

この日差というのは、読んで字のごとく1日あたりの差ですね。

要は1日あたり時計の時刻がどれだけずれるかみたいな感じのものです。

では日差ー何秒までが許容される範囲でしょうか?


主に高級機械式時計における精度がいいですよというお墨付きである

「クロノメーター規格」というのがありますが、

そのクロノメーター規格に合格している時計が日差が-4秒から+6秒くらいです。

ちなみにマイナスの方が若干厳しめなのは、

「時計というのは遅れるより進む方が良いから」と捉えておくといいかと思います。

1日あたり4秒遅れるか6秒早まる、これぐらいの範囲の日差である時計というのは

精度が優秀なものとしてクロノメーター規格に合格出来るんです。


ショップで話を伺う時、日差は10秒とか15秒ありますなんて事はざらですが、

個人的にはあまり気にしていません。

購入したいなって時計の日差が気になる様であれば、

オーバーホール前提でオーバーホール代を足しても納得のいく販売価格であれば

買いっていう判断でいいんじゃないかなと思います。


■傷■

次にケースとかブレスの傷について。

例えば今検討している中古腕時計に傷がついているとして、

その傷がライトポリッシュで取れるかどうかっていうのが重要なポイントになります。


普通に使っていてバックルが机に擦っているとか、

その程度の小キズはライトポリッシュ、外装研磨する事で

本当にピカピカになるのでほとんど気にする必要ないですね。


ただし明らかにガンとぶつけた様な、いわゆる打ちキズが有る場合は

ライトポリッシュで消えない可能性があるので

その傷の度合いと販売価格を天秤にかけて許容出来る様なら買うみたいな判断になります。


ガーンとぶつけたような深い傷に合わせてその傷を消そうとポリッシュ、

外装の研磨をしてしまうと、削り過ぎになるんですね。

削りすぎる事によってケースの本来角張っているはずの部分が

丸みを帯びてしまったり、左右対称であるべきところがなんかちょっとズレてたり

ロゴの刻印が薄くなってしまったり、ケース痩せが見られる状態のものがあります。


またノンポリッシュ、今まで一度も研磨された事が無い時計に

価値を見いだすコレクターの方もいらっしゃいますね。

個人的にはノンポリッシュで小キズがあって前のオーナーの使用感を感じてしまう時計より

使用感を感じない程度のライトポリッシュされた時計の方が好きだったりします。

結論としてはあまりにケースが痩せすぎているものに関しては

避けるべきなんじゃないかな?と思います。


■革ベルト■

革ベルトは金属のブレスベルトと違って、

黒ずみとかベルトの通し穴の使用感が分かる部分ですよね。


ただ革ベルトに関しては、いっそ新品に変えてしまえばいいですね。

純正の革ベルトだと、大体2万位から販売されているものが多いです。

素材がクロコダイルだと、5万オーバー位でしょうか?

これが社外品のベルトであれば数千円から手に入ります。

個人的には、中古で購入時に付属してきた純正ベルトはそのまま保管しておいて

ご自分の好きな純正品や社外ベルトに付け替えて

使用されるといいんじゃないかな?と思います。


ただ一点注意するべきポイントがあります。それはバックルですね。

バックルが純正バックルかどうかっていうのは重要なポイントになります。

バックルが純正じゃなくて社外ベルトに付いてくる様な

社外品のバックルであれば、それはもう価値的には本体だけで売っている時計と

変わらない様な価値しかないと考えるべきなんですね。

筆者的には革ベルト自体の状態は気にしませんが、

純正バックルかどうか?バックルが社外品の場合は相応に安ければ買いって判断です。


■風防■

風防というのは「ガラス」の事ですが、最近の時計はサファイアガラスという、

めちゃくちゃ傷に強いガラスが付いているので、

あまり目立つ傷がついている事はありませんが、それでも傷がついてたりだとか

ガラスのエッジが欠けている場合があります。


ガラスに傷が付いてるって事は、その時計のガラスがサファイアガラスであれば

過去に結構な衝撃が加わっていると考えた方がいいですね。

ガラスが傷ついたり、エッジが欠けたりしてたら

オーバーホールした事があるのかないのか?というのも確認しておきたいポイントです。

購入する時「まぁこれぐらい傷、気にならないかな」と思ったとしても

ガラス表面の傷っていうのは時計を見る度に必ず目に入りますし、

エッジの欠けは時計を触った時に指に引っ掛かったりとかして

結構テンション下がる瞬間、あるんですよね。


不具合のある風防を後から直そうと思ったら

基本的には風防交換になってしまうので、普通に高いです。

なので、それ相応に安ければ買いって判断です。


■針・インデックスの腐食■

これは中古時計を販売しているショップであれば、大体事前に説明があると思います。

個人売買の場合は割と伏せられてとか、そもそも売り手側が気づいていない場合も。

購入前に確認出来るのであればぜひルーペでチェックする事をお勧めします。


腐食してしまった部分の独特のボコボコ感っていうのは、

それを補修するにしてもなかなか綺麗に補修出来ないですし、

こだわるんであれば補修じゃなくてパーツ交換になりますよね。

針はどうにか単体でパーツが見つけられても、

インデックスは文字盤丸ごと交換する事が多いので、結構な出費になります。

腐食が許せるレベルかどうかにもよりますが、

個人的には安くても腐食が見られるものに関しては手を出さない様にしています。


■日焼け■

文字盤の日焼けもチェックするべきポイントですね。

文字盤の日焼けだけではなく、インデックスの焼けとかもそうですが、

経年劣化の日焼けというのはそれが一つの味だったりしますし

ヴィンテージ感が新品に出せない魅力だったりもしますので

必ずしも悪いものではありませんが、気になる様であれば避けるのが無難ですよね。

筆者はスポーツモデルを購入する時は全く気にしませんが、

ドレスウォッチを購入する場合は、日焼け具合は多少検討材料になりますね。


■ブレスレットのコマ■

腕時計の腕回りというのは、新品を購入した

オーナーの腕回りに合わせて調整されていますね。

ブレスベルトの場合はコマをはずしたりして調整します。

大体の方は外したコマを箱に入れたりなどして保管しているんですけど

箱ごと捨ててしまったりだとかの理由で余りコマも紛失して、

本体のみで売却したりとかで、割と外したコマが付属していない

中古の時計っていうのは多いですね。


新品時はある程度の腕の太さまで対応出来る様に、

大きめサイズになっていますが、中古だとサイズによって入らない場合があります。

お店では「腕周り何センチ」みたいな表記がされていると思いますので、

狙ってる時計が自分の腕回り以上のサイズがあればひとまずは安心です。

仮に欲しい時計の腕周りが、自分の腕回り以下のサイズで

更に付属のコマもないのであれば、そのまま購入しても装着出来ません。

メーカーからコマ単体で購入する事が出来るもあれば、

ヤフオクなどでコマだけで出品されていたりする事もありますので

そういったものを探して付け足しする感じになります。


最近はラバーベルトの時計も多いですが、

ラバーベルトは腕周りのサイズに合わせて切って調整するものも多いので、

新品で購入したオーナーのサイズに合わせてベルトが切られている事が多いかと思います。

もしラバーベルトが入らない場合は新しくベルトを買い直す事になります。


■箱・保証書■

最後に箱や保証書ですね。

これらはあるに越した事はありませんが、

箱とか保証書を腕に巻く訳でもないので、こういった付属品が無い分

安いのであれば個人的には本体のみの状態でもいいんじゃないかなと思っています。

メーカーのお墨付きが欲しくなったら、メーカーにオーバーホールに出せばいい訳ですし、

箱もいくらでも純正の箱が入手する事が可能です。


コレクションや投資的な要素で購入検討の方は、箱や保証書の有無は重要になるかもしれませんが、筆者の様に実用として購入検討の場合、付属品なしの本体のみ販売の時計でもその分安く買えばいいんじゃないかな?と思います。


如何でしたでしょうか?

今回は中古時計を選ぶ際のチェックポイントについて記事にしてみました。

 
 
 

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