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Audemars Piguet Royal Oak 15500ST

  • 執筆者の写真: TAKE
    TAKE
  • 6月10日
  • 読了時間: 3分

「時を纏う芸術」。15500STと歩んだ軌跡


時計界には、決して流行り廃りに流されない「絶対的な存在」がいくつかあります。

その頂点に君臨するのが、オーデマピゲの「ロイヤルオーク」。

八角形のベゼルとタペストリー模様の文字盤。

その圧倒的なオーラを放つ「15500ST」は、今の筆者にとっても、

手に入れた当時の感動が色褪せない特別な一本です。


◾️220万円という決断。そして、今の複雑な胸中

筆者がこの15500STを手に入れたのは、発売されて間もない頃でした。当時の価格は約220万円。

決して安い買い物ではありませんでしたが、その端正な佇まいに心底惚れ込んでいたことを覚えています。

ただ、時計市場の熱狂を経て、今このモデルは当時の価格を大きく上回り、

もはや気軽に腕に乗せて街を歩くことさえ躊躇われる存在になってしまいました。

愛情と緊張感が同居する、なんとも複雑な状況です。

あの時、迷わず手元に迎えた選択は「時計人生における正解」でしたが、

今やこの時計は、筆者の日常を少しだけ緊張感のあるものに変えてしまったのかもしれません。


◾️「技術」と「伝統」の融合:15500STが到達した完成度

この時計が単なる高級時計を超えて芸術と呼ばれる理由は、その細部に宿る妥協なき設計思想にあります。

・腕馴染みを極めたサイズ感:41mmのケースサイズは、

ロイヤルオーク特有の幾何学的なエッジと薄さを両立させる黄金比。

吸い付くようなフィット感は、計算し尽くされたケースカーブの賜物です。

・妥協なきベゼルのビス:

8つの六角ビスのスリット(溝)は、すべて文字盤の中心を向くように設計されています。

この微細な統一感が、時計全体の調和と緊張感を生んでいます。

・驚異的なブレスレットの仕上げ:

ロイヤルオークの真骨頂。

1コマ1コマが滑らかに可動し、まるで金属の布を纏っているようなしなやかさです。

サテンとポリッシュを交互に施したディテールは、光の反射すら計算され尽くしており、

他のどんな時計とも比べ物にならない美しさを放ちます。

・「グランド・タペストリー」の職人芸:

専用旋盤で職人が数千回もの動作を繰り返して彫り込む伝統技法「ギヨシェ彫り」。

この立体構造が光を複雑に拡散させ、独特の生命感を生んでいます。

・次世代の心臓部「自社製キャリバー4302」:

裏蓋から覗くムーブメントは芸術品そのもの。

約70時間のロングパワーリザーブに加え、22Kゴールド製ローターの幾何学的な装飾は、

外したときにしか見えない贅沢の極みです。


◾️時代を超えて愛される「守るべき芸術」

市場価値の高騰により、気軽に連れて歩くことが難しくなってしまったのは、

時計好きとしては少し寂しい現実です。

それでも、この時計が持つ魅力そのものは決して変わることはありません。

かつて一緒に過ごした時間があるからこそ、今は少し遠くからその美しさを愛でる。

時代を超えて愛されるこのロイヤルオークは、筆者にとって「所有する」という言葉では収まりきらない、

手元で大切に守るべき「芸術そのもの」なのです。

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