中古ブランド時計は新品の劣化品ではない

「ブランド時計でも中古はちょっと……」
そんな風に考えている方も少なくないのではないでしょうか?
確かに中古品というイメージはあまり良くないものがあります。
しかし、それは一昔前の考え方です。
現在の中古品は非常に品質が良く、管理も行き届いている為、
中古品のイメージにある「使い古し」とは一線を画します。
今回はそんなちょっと勘違いしがちなブランド時計の中古品についての知識、
中古ブランド時計の魅力について改めて記事にしたいと思います。
■中古ブランド時計は新品の劣化品ではない
まず、はじめに知っていただきたいのは
中古ブランド時計は単なる新品の劣化品ではないという点です。
それは一体どういう事なのか、詳しく見ていきます。
■新品にも見劣りしない個体が安く手に入る
中古ショップに納入されてくるブランド時計には
「未使用」「ほぼ未使用」といった品も多く入ってきます。
これは何らかの事情でほとんど使用されなかった時計を売却されたケースで、
言うまでもなく状態は非常に良いものになります。
中には完全未開封というものもあります。
そういった個体でも、正規店や並行店よりも断然安く購入出来るのは中古品ならではです。
また、高級時計は一度でも買ってしまえば中古としての資産価値になってしまう為、
最初から未使用品を購入する方が、後々自分が手放す時の価格差が少なくて済みます。
■新品では手に入らないモデルが入手出来る
人気モデルは正規店であっても、並行店であっても入手が困難です。
各ブランドは実は現行モデル以外は既に生産をしていません。
その為、それらの新品を入手する事は非常に困難です。
また、生産終了モデルであるが故にブランドやモデルによっては
希少価値が出る為、通常価格帯で買う事は困難となります。
しかも、ブランド時計の場合は、量産品の様に
「売れているから」といって追加で生産される事がありません。
生産が終了したものはどんなに人気であっても、再度生産をされる事はないのです。
その為生産終了モデルは、プレミア価格になる可能性を秘めているのです。
しかし、世の中には買ったはいいけれどもイメージが違ったり、
別のモデルに買い替えたりするなどの理由から手放す方がいらっしゃいます。
すると、非常に高いプレミア価格を払わなくても
遥かに安い値段で入手する事が可能になるのです。
■経年により味わい深い表情になる
中古ブランド時計の魅力の一つが、正しいメンテナンスを施された時計は
経年によってより味わい深い表情になるという事です。
これは、身近なところで言えば本革製品などがイメージしやすいのではないでしょうか。
時計の場合、経年する事により一種の「味」となります。
時計の場合は、素材の成分の劣化により「レアポイント」と呼ばれる現象が起きます。 インデックスの焼けや、「スパイダーダイヤル」と呼ばれる文字盤のヒビ、 ブラウンやトロピカルに彩られた文字盤の変色など その時計にしかない「時」を感じさせる特徴がつくのです。 もちろん、古ければすべて良いという訳ではありません。 あくまで大切に扱われた時計が、正しく時を重ねた結果起きたものに限ります。 「レアポイント」が美しい表情の個体はプレミア価格になる事もしばしばです。 大切に使い古した作品・道具などが人の心をひきつける事はご存知の通りです。 100年以上が経過した美術品が、今もなお人の心を引き付けるのと同様に 質の良い品は年と共に新品とは違う輝きを放つのです。 ■同じ値段でも1ランク上の時計を購入できる
多くの方にとってはこれが最大のメリットになるのではないでしょうか?
中古ブランド時計の最大の魅力は同じ予算でワンランク上の時計を購入出来る事です。
筆者も限ある予算で少しでもクオリティの高いモデルが欲しいと
中古時計ばかり買い漁っていた時期がありました。 例えば、オメガを購入する為に60万円用意していたとしたら 定価100万円の別のブランド時計を購入する事も可能です。 ■あえて中古で買うべき時計ブランド5選 ブランド時計を中古で購入するのは、このようにメリットがかなり大きいといえます。 そんなあえて中古で買うべき時計ブランドを5つご紹介します。 ①ロレックス 国内の中古時計市場で最も安定感のあるといっていいロレックス。 代表的なモデルはエクスプローラーⅠなどがありますが、 これは木村拓哉さんがドラマで着用していた事で話題になりました。 木村さんは芸能界でもロレックス愛好家として知られています。 他にもロレックスを愛する著名人はたくさんいらっしゃいますが、 そんな著名人が魅了される理由の一つとしてシーンを選ばずに着用出来る事、 高いステータス性がある事でしょう。 シンプルに高級時計として選ばれる事ももちろんですが、 関連書籍も多くロレックスは啓蒙・啓発活動に余念がありません。 このようにロレックスは様々な場所から人気に火がつきやすい状況にある為、 なかなか値が落ちません。 ②パテックフィリップ 「世界最高の時計メーカー」とも称され、 世界三大時計にも数えられる世界的に有名なブランドです。 ドレスウォッチの「カラトラバ」とスポーツウォッチの「ノーチラス」の 名前は聞いた事がある方もいるのではないでしょうか? 富裕層というよりも王侯貴族に愛された時計で、 過去の購入者にはヴィクトリア女王やアインシュタインも名を連ねています。 世界一の時計という評価をいまだに得ているパテックフィリップは 中古であってもその価値を大きく落とす事はないでしょう。 ③オーデマ・ピゲ ブランド名は知らなくても「ロイヤルオーク」という 時計の名前を聞いた事がある方も多いのではないでしょうか? こちらも世界三大時計の一つに数えらえる知名度の高さと 世界で初めてステンレススティールを利用した スポーツウォッチとして世界的に有名になりました。 ロイヤルオークは一目見るだけでもロイヤルオークだと分かる形と エレガントかつ万能な見た目が評価され世界の著名人に愛されて続けています。 こちらも世界的に需要が高いため中古市場が暴落するという恐れは 非常に低いと言えるでしょう。 ④A.ランゲ&ゾーネ 世界5大ブランドの一つで、かつての宮廷の時計職人が創業したメーカー。 そのデザインはまさにエレガントの一言につきます。 二度組方式という一度組み立ててから洗浄し、 再度仕上げをするという徹底的なこだわりを見せる時計の完成度は 量産品ではありえない質を産み出します。 このような方式から年間わずか数千本しか生産されないA.ランゲ&ゾーネは その希少価値から値を大きく落とす事は、ほぼあり得ない言っていいでしょう。 ⑤ブレゲ 世界5大ブランドに位置し、かつてマリーアントワネットも愛した時計、それがブレゲです。 現代の時計技術の多くがブレゲから生まれたといわれる程、 非常に高い発想力と技術力を有するブランドです。 ブレゲ針やブレゲ文字などブレゲにしかない特徴的なデザインは 他のメーカーの時計と見紛うことは決してなく200年以上たった今でも その高い価値は続いています。 中古市場においてもブレゲの人気は高く、 高度な技術で製作された時計の価値が落ちる事はほぼないと言えるでしょう。 ■まとめ 今回の記事では、中古ブランド時計についてお伝えしました。 「正直、中古のブランド時計ってどうなの?」と感じていた方は 今回の記事で魅力が伝われば幸いです。 中古ブランド時計には以下の様な魅力があるとお伝えしました。 ・未使用品・美品が安く手に入る ・廃盤のモデルを手に入れることができる ・時が経つことにより「レアポイント」 ・同じ予算でもワンランク上の時計が購入できる また、中古で価値が落ちにくいブランドについてもお伝えしました。 ブランド時計の中古品は一つの「資産」として認識されています。 それも車などと違いメンテナンスをキチンとしていれば 10年経っても0になってしまうという事もありません。 ぜひ、様々なメリットがある中古ブランド時計の購入を検討してみては如何でしょうか?
次回の記事では、実際に中古の腕時計を購入する際の
状態の見極め方について触れていこうと思います。
宜しければそちらの記事もご覧になってくださいね。
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