質実剛健

腕時計産業といえばまず、誰もが思い出すのがスイス。
ですが確かな技術力と歴史に裏打ちされたモノ作りにより
腕時計好きから高い評価を獲得している国が他にあります。
『A.ランゲ&ゾーネ』をはじめとした
世界的マニュファクチュールブランドを数多く有する国、ドイツ。
ドイツの腕時計の特徴は、視認性や精度などの基本性能を徹底的に追求し、
決して華美でなくミニマルかつ実直、質実剛健な世界がそこにはあります。
世界5大腕時計ブランドとして皆さんご存知の『A.ランゲ&ゾーネ』は今回は除き、
それ以外のブランドで5選を記事にしてみました。
【グラスヒュッテ オリジナル】
デザインが『A.ランゲ&ゾーネ』に似ていると感じた人は多いかと思います。
『グラスヒュッテ オリジナル』は、『A.ランゲ&ゾーネ』の創業者である
アドルフ・ランゲ氏が1845年に立ち上げた時計工房を前身とするブランド。
ムーブメントから一貫した自社生産を行うマニュファクチュールとして、
機械式腕時計を数多く輩出しています。
その中でも、パノコレクションと呼ばれるラインアップは
ハイエンドモデルと位置づけられており、ランゲ1を連想させるデザインが特徴的です。
パノリザーブは、その名の通り
パワーリザーブインジケーターを文字盤右上に備えた1本。
ドイツ最高峰の手巻きムーブを巻き上げる喜びを、視覚的にも感じる事が出来ます。
【ノモス】
ドイツブランドを象徴する様な、バウハウスデザインの極地ともいえる
ミニマルな腕時計が欲しいなら、断然『ノモス』をお勧めします。
1906年に懐中時計のメーカーとして発祥したものの、
第2次世界大戦の影響を受けて休業に追い込まれます。
その後東西ドイツ統一後の1990年に復活。
以降、どの傘下にも属さない珍しい独立型腕時計ブランドとして知られている。
タンジェントは、そんな『ノモス』の顔として有名なモデル。
手巻きムーブメントを採用している為非常に薄型で、
日本人の細腕への収まりも良好です。
ほぼ同じフェイスで自動巻きモデルのタンゴマットもあるので、そこはお好みで。
【ジン】
ブランドの正式名称は『ジン スペツィアルウーレン』。
日本語に翻訳すると「ジン特殊時計会社」となります。
その名の通り、過酷な環境においても腕時計としての責務を
十二分に発揮出来る様、特殊な機構を有した腕時計を得意とするメーカーです。
ケース内にシリコンオイルを封入する事で厚みを出さずに
高い耐圧性能を得られるハイドロ、セラミックと同等か
それ以上の硬度を実現するテギメント加工など、
日常生活においてはオーバースペックともいえる
テクノロジーの数々は男心をくすぐってやまない事でしょう。
【ユンハンス】
日本ではバウハウス最後の巨匠マックス・ビル氏の手がけた
同名モデルで知られる『ユンハンス』。
その歴史は古く、『ユンハンス』として時計の製造を始めたのが1866年、
実際はそれ以上前より時計部品に特化した製造業を営んでいました。
一時期は3000人を抱える世界一の腕時計メーカーとして名を馳せ、
1960年以降は電波時計やソーラーなど新分野を次々と開拓していきました。
そんな同ブランドのお勧めは「マックスビル」。
シンプルで機能的な文字盤が特徴的だが、
大人の腕元に合わせるなら縦目ダイヤルが
スタイリッシュなクロノグラフも程良い主張がありお勧めです。
【モリッツ・グロスマン】
グラスヒュッテで19世紀半ばに活躍していた時計師、
モリッツ・グロスマン氏の数々の遺産をもとに
2008年に設立された異色のブランド『モリッツ・グロスマン』。
実はモリッツ氏はアドルフ・ランゲ氏の弟弟子にあたる人物。
それを示す様に、『A.ランゲ&ゾーネ』のモノ作りに通ずる
高品質で革新的なモデルを数多くリリースしています。
独創的なルックスもさる事ながら、
マニュファクチュールブランドとして他社に類を見ない貴重な機構を積極的に採用。
裏蓋からのぞくムーブメントは眺めているだけで
所有欲を満たしてくれる美しさがあります。
如何でしたか?
駆け足でお勧めしましたが、気になるブランドはありましたでしょうか?
筆者はやはり『グラスヒュッテ オリジナル』でしょうか。。
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