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ジェラルド・ジェンタ

執筆者の写真: TAKETAKE

この人がいなかったらラグスポって。。




パテックフィリップのノーチラス、

オメガのコンステレーション、

オーデマピゲのロイヤルオーク・・・

どのモデルも一度は目にした事がある方が多いのではないでしょうか?


上に挙げた時計は、

全て一人の天才時計デザイナーによって生み出されたものです。

その人物の名は「ジェラルド・ジェンタ」。

「時計界のピカソ」と称され、フリーのデザイナーでありながら

多くの有名ブランドのアイコンとなる時計を輩出しました。

今回は、ジェラルド・ジェンタ氏の軌跡を辿るとともに、

彼が生み出した傑作モデルの数々をご紹介したいと思います。


スイスに生まれたジェラルド・ジェンタ。

元々は15歳からジュエラーとしての修行を積んでいました。

しかし23歳の時にジュエラーから一転、時計デザイナーへの道を歩み始めます。

ジェラルド・ジェンタはどの企業にも属さず、

フリーランスとして複数のブランドに股にかけ活躍します。

1960年代にオメガの「コンステレーションC」をデザインした事により、

その名声を世に広めました。

この美しいカーブをきかせた「Cラインケース」は、

当時センセーションを巻き起こしたのと同時に、

コンステレーションの現行モデルのみならず

多くの高級時計のデザインに大きな影響を与えています。


以降、オーデマピゲのロイヤルオークを筆頭に、

パテックフィリップのノーチラス、IWCのインヂュニア等、

雲上ブランドから人気ブランドまで様々な傑作を輩出。

ジェラルド・ジェンタが得意とした作風は、

既存の枠にとらわれない素材やデザインを活かした、

ダイナミックかつ気品ある高級時計。

1970年代から台頭した、ラグジュアリースポーツウォッチというカテゴリは

彼が確立したと言っても過言ではありません。


1972年、彼は自身と同名のブランド「ジェラルド・ジェンタ」を立ち上げます。

あまり聞きなれない名前かもしれません。

それもそのはず、生産本数が極端に少なく、

販売店舗も限られているため非常に入手が困難なものだったからです。

にもかかわらず、世界中のセレブリティ〜ヨーロッパや中東の王族、

スポーツ選手、政治家などから愛されました。

今でも熱烈な時計愛好家たちから根強い人気を誇ります。


1994年、ジェラルド・ジェンタはアワーグラスに統合、

1998年にブランドを離れ、新たにジェラルド・チャールズを立ち上げます。

後にやはりブルガリ傘下となり、一線から退きました。


世界中の名だたる有名ブランドにデザインを提供してきたジェラルド・ジェンタ。

没後6年が経つ今でもフラッグシップとして各ブランドを牽引しています。

中でも非常に人気の高い、5つのモデルをご紹介させていただきます。



①オーデマピゲ「ロイヤルオーク」

八角形の文字盤周りに埋め込まれたビス。

タペストリー模様のダイアル。

雲上ブランドとして名を馳せる

オーデマピゲの「顔」とも言うべきロイヤルオークは、

独創性に満ちたモデルです。

1972年、「高級時計の概念を覆す」と騒がれた

世界初のステンレススティール製高級スポーツウォッチは、

ジェラルド・ジェンタによって生み出されました。

ジェラルド・ジェンタらしい、斬新で大胆なデザイン。

このダイアル形状は、潜水士のヘルメットから

インスピレーションを得たと言われています。


②パテックフィリップ「ノーチラス」

パテックフィリップ初の本格スポーツラインとして1976年に誕生、

30年以上にも及ぶロングセラーとなっているノーチラス。

同ブランドのラインの中でも非常に高い人気を誇るモデルです。

現行モデルでもなお初代イメージを大切にしたものである事からも、

ジェラルド・ジェンタの美的センスは時代を超えている事を実感させられます。

ロイヤルオークにも通ずる八角形のケースフォルムを活かした、

立体感ある構造と斬新ながらシンプルな意匠は飽きがこず、

いつまでも、そしてどんなシーンでも活躍するデザインです。


③オメガ「コンステレーション」

ロレックスと並び非常に高い知名度と人気を誇るオメガ。

正統派の魅力は多くの男性から圧倒的な支持を得ています。

そんなオメガのフラグシップでありロングセラーであるコンステレーション。

ジェラルド・ジェンタの名を世に広めるきっかけとなったモデルです。

ジェラルドがデザインした初代のコンステレーションCは生産終了となっていますが、

ラグとケースが一体化した、美しい曲線(Cライン)は

その後多くの時計に影響を与えました。


④IWC「インヂュニア」

元々1950年代からIWCのアイコン的存在であったインヂュニア。

ドイツ語で、意味はエンジニアです。

世界中が経済成長を成し遂げ、

世の中により一層の磁気が溢れるようになったことから、

高い耐磁性を実現したモデルとして誕生しました。

1976年、ジェラルド・ジェンタ氏によりそのデザインは一新を遂げます。

ジェラルド・ジェンタがダイバーのヘルメットから

インスピレーションを得たというインヂュニア SL。

現行モデルでは生産が終了していますが、

IWCが「最も優れ、最も斬新なデザインの1つ」と自負しています。


⑤ブルガリ「ブルガリブルガリ」

1975年以来、ブルガリウォッチのフラグシップとして

40年以上ものロングセラーを博すブルガリブルガリ。

個性的なデザインで、ブランドのダブルロゴを大胆にあしらった

ベゼルや厚みのないスマートなフェイスは

おしゃれな時計が欲しい方に非常に高い人気を集めます。

実はブルガリブルガリも、ジェラルド・ジェンタの傑作のうちの一つ。

当時ベゼルには「ブルガリ ローマ」と刻印されており、

2015年、誕生40周年を祝し復刻モデルが発表されました。



孤高のデザイナーでありながら、手がけたほとんど全てのブランドで

一大コレクションを築いているジェラルド・ジェンタ。

2011年、ジェラルドは80歳でその生涯を終えてなお

洗練されたデザインの中で生き続けていると言えるでしょう。

 
 
 

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