新旧ロゴの違い

グランドセイコーは過度な装飾を施さないシンプルなデザインである事から
一見どのモデルも同じに見えますが、よく見ると
ロゴが12時位置にあったり、6時位置にあったりします。 この違いは一体何を意味しているのでしょうか? 今回はグランドセイコーのロゴの位置によって 時計にどの様な違いが生じるのかについて記事にしていきます。 ■ グランドセイコーのロゴ グランドセイコーのロゴは「GS」と「Grand Seiko」の英文字をあしらったシックなデザインです。 力強くも上品であり、幅広い世代から支持を受けているロゴだといえます。 このロゴは文字盤の6時位置もしくは12時位置に配されており、 どちらに配置されているかにより文字盤全体のイメージが異なります。 では、この違いを説明します。 答えは簡単で、2017年以前に発売されたモデルか、 以降に発売されたモデルかの違いです。 2017年にグランドセイコーは母体のセイコーから独立し、 高級路線及び更なる海外進出の道を歩む様になりました。 それに伴いロゴから「SEIKO」の文字が消え、 独立前のロゴと独立後のロゴの2つが生まれています。 6時位置にロゴがあるモデルは2017年以前の旧ロゴモデル。 12時位置にロゴがあるモデルは独立後に発売されたモデルという事になります。 新ロゴの特徴はGSロゴが12時位置に移動した事ですが、 「SEIKO」文字が消えている事にも大きな意味があります。 ■ ロゴを変更した意味 グランドセイコーのロゴが変更された理由はブランドイメージの向上にあります。 セイコーにはアストロン・ガランテ・クレドール、 さらには廉価モデルに至るまで様々なラインナップが存在しますが、 その全てのモデルにSEIKOの文字が入っています。 2017年に独立する前のグランドセイコーにもSEIKOの文字が入っていた訳ですが、 あえて悪い言い方をすると高級機なのに廉価モデルと同様の文字が 刻まれていたという事にもなります。 近年のセイコーはグランドセイコーを「高級機」として認知させる方向で ブランディングを進めている為、GSならではの価値を上げる為にSEIKO文字を外し、 GSロゴの主張を強めました。 グランドセイコーは別格のモデルである。 このイメージを強くし、今後スイス製の高級時計に負けない ステータス性を持たせるのが目的なのでしょう。 ■ 旧ロゴと新ロゴの見比べ ロゴの位置が変わり、SEIKOの文字が消えただけ。 ロゴそのものに大きな変更はありませんが、全体的なバランスが変わった事により、 各モデルの旧ロゴ版と新ロゴ版で雰囲気が異なって見える様になりました。 ■ 新旧ロゴによる定価の違い 新旧ロゴによる定価の違いは基本的にありません。 同一モデルであれば旧ロゴも新ロゴも等しく同じ価格です。 ただ、今後は新ロゴのみが展開され、デザインに関しても 海外顧客を意識した設計が基本となりそうです。 SEIKOロゴを持つシンプルなグランドセイコーは 今後減っていく事が予想されるので、旧ロゴを配した個体を買うのであれば、 早めに手に入れた方が良いでしょう。 ■ まとめ グランドセイコーのロゴの位置が変わったのは、 単にデザインを変えただけでなく、グランドセイコーのイメージ向上が目的です。 GSのロゴには重みがある。 どのモデルでも手に入ってしまうSEIKOの文字を取り除く事で、 高級機としてのイメージをつけたかったのだと思います。 ただ、ロゴの変更により、さらにカッコよく見えるモデルもあれば、 旧ロゴの方がバランスが良かった様に思えるモデルも現れました。 最も大切な部分は時計のデザインなので、 グランドセイコーを購入される際には同一モデルでも 旧ロゴ版と新ロゴ版を見比べてみるのも良いかと思います。
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